蝉 SM調教
鳴き始めたかと思えば早くも路上で屍を晒している蝉がいた。
俺は蝉が好きだ。
「死体?そんなのどうでもいい。俺は存分に鳴いて存分に生きたんだ!」
道路の真ん中で豪快にひっくり返ったその亡骸を見ているとそんな声が聞こえてきそうな気がする。
とはいえ車や自転車に轢かれ続けるのも気の毒と思い、せめて土に返してやろうと植え込みにでも放り投げるつもりで羽を掴んだら指先から飛び立っていった。
なんや、今のは休憩か?
おまえ、休憩まで豪快やな。
死ぬまでせいぜい好きなだけ鳴くがいい。
蝉の鳴き声はまさに命が燃えている音だ。
誰がこれをうるさいなどと言えよう。